2. 不倫--独身女性の罪
毒花になった独身女性の罪は、なぜこれほど重いのだろう。
それは、同性を苦しめ、その様子をあざ笑い優越感に酔いしれた罪のせいだ。
彼が帰りつく筈の家の中では、妻が夫を待ち、子どもに食事を与えている。
心で祈りながら。
家族の平和な毎日が続きますよう、夫の関心が他の女性へ向かいませんように。
食事時間に戻らない夫を思い、新鮮さが消えた夫婦間を不安に感じ、怯える妻。
同じ頃、外では妻の怯えをあざ笑う様に、毒花が彼に近づく。
彼に一瞬だけ、好意の目線を刺し込んで、つと知らぬ顔で行き過ぎようとする。
彼の心は、一時戸惑ったものの、直ぐに毒花の魅力に惹き込まれ秘密の園へ。
リビングに進入し花鉢を盗んだ罪よりも、毒花女性の罪はずっと重い。
リビングで待つ妻から夫を盗んだのだ。
同性から夫を盗んだ罪で、毒花女性は、いつか宇宙から罰せられることになる。
毒花女性は、同性である妻を苦しめただけではなく、不安な心で夫を待ち続ける妻への
優越感の快感をむさぼるのだから。
毒花女性の心は、邪悪で罪深い。
優越感に酔いたくて同性を苦しめる邪悪な心を、宇宙は許さない。
異性はフェアーな戦いで奪うこと。
姿も見せず、影でこっそり盗むのは、宇宙的ルール違反だ。
宇宙は、人として真っ直ぐ生きようとする者には、
こよなく優しいが、
邪な人の心には、容赦ない厳しさで対応する。
宇宙の厳しさとは、すぐの試練さえも与えない。
心を取上げ、後は自重で落ちるに任せておく。
人生が終わるまで、這い上がる手がかりも与えず、地を這う生き物にしてしまう。
邪なものは、もう立って身体を移動する必要もないのだから。
宇宙のルールを破っても厳しく叩かれない、それ程重い罪を犯してしまった。
樹の上で収穫している果実を、こっそり盗んで逃げたサル…あ、蛇だったのか。
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Mizuho Mi Suguri