1. 不倫--独身女性と既婚男性との関係
人の道に反した男女の交際・不倫。
不倫の男女関係は、秘密の園に咲く毒の花。
独身女性と、妻帯している男性との間に起きた男女関係、不倫。
不倫とは、独身女性と既婚男性との男女関係のみのことを言う。
不倫の罪深い花びらは真紅、妖艶な香りを放ち淫らな美しさで男心を惹く。
哲学を持たない浅はかな男は、独身女性が変身した毒花の淫らな魅力に
引き込まれ、
快感に震え、深い闇へと落ちて行く。
毒花独身女性は、無責任既婚男性に抱かれ香りを吸われ、
妻よりもずっと魅力的だと言われた
言葉を信じ、心地良い優越感に浸る。
甘美な不倫の快楽。
「君は彼女よりずっと素敵だ」
毒花になった不倫女性は、この言葉だけをシャワーの様に浴びて
優越感に包まれていたい。
「こんなことも、あんなことも全て彼女よりずっとずっと素晴らしいよ」
浅はかな既婚男性にしてみれば、目の前のご馳走を頂きたいから、心にない
ことばっかり言っているのに、
不倫女性には自分への賛美としか聞えない。
彼は、私をこんなに理解してくれている。
こうして、一度毒花になり快楽を貪った女性は、清らかな女性には戻りにくい。
何回も別れを繰り返しながら、それでも秘密の園から出るのをためらう。
毒花女性には、秘密の園でしか得られない賛美のシャワーが忘れられないのだ。
もっともっと賛美のシャワーが欲しいから、止まって新しい既婚男性を待つ。
こうして秘密の園から出ようとしない独身女性は、毒花の重い香りを
放ち続け、
いつか萎れて無残な姿を社会に曝すことになる。
人の道を外れた己からは、とっくの昔に心も去って行った。
それでも、秘密の園にいれば、快楽はまた戻って来るかもしれない期待で待つ。
そして、遂にその日が来た。
萎れても絶えない毒花の粘液は重く、遂に腐臭をも放っている。
もう秘密の園にいても新しい出会いは、やって来ない。
とぼとぼと秘密の園から社会へ戻った毒花に、心地良い居場所は見つからない。
闇の中で聞かされた賛美の言葉、感動の言葉は何処へ言ってしまったの。
明るい社会で見る己の姿は、自分が見てもいかにもみすぼらしい。
これから先、自分はどう生きて行けるのだろう。
心も、随分昔になくしてしまったから、危機から脱出する浮力もない。
場所を変えて生き直そうと試みはしたが、駄目だ、上手く行かない。
日々排出される重い粘液が身体に絡みつき、じわじわ地面に引き下される。
快楽に溺れる生活が終わってみれば、友も仲間も心さえいない独りぼっち。
一体ぜんたい、私が何をしたって言うの、みんなの冷たい目はなぜ?
「秘密の園にいたって、楽しい事ばっかりではなかったのよ」
こんな独り言に耳を傾けてくる相手がいるわけもない。
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Mizuho Mi Suguri