8.幸運は、低い声が好き
あ〜ら、お久しぶり、お元気でいらした?
最近、何回もあなたのこと考えていたのよ、お声聞いて安心したわあ。
甲高く、若々しさをアピールする大きな声が、電話口から飛び出して来る。
口先ばっかりの調子良い言葉は、耳から入っても、心には届かない。
妙に甲高い話し声には、言葉だけで好感を得ようとする作為が表われている。
嘘つき、見栄っ張り、八方美人、こんな人柄が、ハイトーンの話し声に出る。
実際よりも良く思われそうなことには、懸命なエネルギーを費やす心。
騙そうとしていることが当たり前すぎて、自覚すらもてなくなってしまった。
とにかく本音は隠す、が無意識のうちに基本姿勢となっている心持ちの人。
それでは、夢が持てるはずもなく、幸運の妖精は逃げ出し、悪運しか近寄らない。
本音で生きる人の声は、静か。
耳障りの良い落ち着いた声、幸運が好きな声だ。
しかし、幸運は悪運の様に、簡単に収入を与えて喜ばせてはくれない。
心が進みたい方向へ、押してくれても、引っ張ってはくれない。
だから、声が静かな人の夢は、ゆっくり静かに叶えられる。
突然の喜びはなくても、ある時気がつく。
今、夢に描いていた通りの生活をしていると。
「ああ、何時の間にか夢が叶っていたのだ」
幸せ感、感謝。
静かな喜び、感謝をする毎日、静かな声の人の人生。
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Mizuho Mi Suguri