幸運のつかみ方

12.幸運は、やりすぎる性格が好き


「まあ、こんなもんで良いでしょう」
「さあ、帰ろうか」
「待って、折角ここまでやったんですもの、もっときっちり終わらせましょうよ」
「ええ〜、もう、こんなもんで良いんだよ、それが普通なんだけどなあ」
「すみません、性格なんです」
「そうか、君の性格は、やり過ぎるだったもんな」

大体こんな辺り、まあまあの仕上がりで終わらせないのは、 信頼できる職人、信頼できる人柄。
適当に済ませてしまうと、何時までも気持ちが悪くて心が休まらないから、
やり過ぎなんじゃなくて、これが丁度なんですよ。

誰もが、当たり前の様に、ほんの少しやり過ぎたら、社会は随分住み易くなる。
つなぎ目から、水が漏れることはなくなる。
想定以上の事故が起きても、被害が出ない。

やり過ぎ人が思う丁度は、一般的な丁度よりも、ずっと先、高い所にある。
随分高い、やり過ぎ人の丁度の点に、幸運の妖精が座っている。
やり過ぎ人の視点からは、遠くが見え、広い世界が見えるから。
適当の丁度の点よりやり過ぎたその部分が、他の役に立ち、奉仕になった。

子どもは、やり過ぎ人に育てること。
幸運の妖精がいつも側についてくれるから、安心して世界へ出す事ができる。

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