心のトンネル


トンネルは眼で見えるもの

トンネルは月だけじゃあないの。 トンネルは、いくつあるのかですって?
トンネルの数は、無限かな。
今目の前にいるあなたも、私にはトンネルなんだもの。
そう、見えるものは何でもトンネルにしちゃおうと思えばそうなるの。
私が魔法使いみたい?
違う違う、この世界を造った宇宙の力が魔法なのよ。
私はその中で、ただただ驚いて楽しんでいるだけ。
そう独りで魔法の世界を旅してるのかな。
見てみて、今そこで、雀がこっちに顔を向けたでしょう。何か言ってるみたいだったけど、感じなかった?
そう、じゃあ私の気のせいだったかもね。
もし、雀の言葉がわかったら楽しいって思わない? こっちも、チュン、チュンって雀語を話すのよ。
ああ、そうか、トンネルの話ね。
時間の川を超す道がトンネルだってことは了解してくれたでしょう。
それは、トンネルは、時間のこっち側とあっち側とを渡す橋でもあるって意味。
どっちの世界でも橋になっていないと、帰ってこれなくなってしまうでしょう。
で、時間の川のこっちとあっちでは、何がどう違うか考えてみてね。
答えを言うと、こっちで形だった物が、時間の川を超すと消えてしまうの。
時間の川向こうには、形がどこにもないって、想像できるかな。
形がなかったら存在できないって思っているのね。
触ってわかる存在っていうのが、この3次元世界の特徴なのよ。
でも、この世界の中にも、触れないものはいっぱいあるでしょう。
あなただってたくさん知っているじゃあないの。
心がそうでしょう、 他にも感情、夢、知識・・・、ほらほら、みんな触れないけれどあると感じるもの。
だから、 トンネルを抜けるられるのは、形がなくて存在は感じられているものたちなの。
そして、トンネルは、きちんと眼で感じられるものだけ。
わかってくれたかなあ。 トンネルは何でしょうの答え、それは「見えるもの」でした。
そして、トンネルを渡れるのは、私たちの中にあって姿が見えないもの。
私たちの中の姿がないものたちは、見えるものを何でもトンネルにできるのね。
嫌ねえ、私はなたを騙してなんかいないでしょう。
全部本当のことしか言わなかったのに、困ったものだな。
今、私はあなたに嘘つきだって思われてるのね。 まあ、それでも仕方がないか。
そのうちにわかってくれればそれでOKよ、今はね。


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